スペイン語書籍読了倶楽部・5
だいぶご無沙汰してしまいました。読了倶楽部・4では会員番号002の方がマルケスの小説を紹介してくださいましたが、それから数えてもずいぶん間が開いておりました。
さて、お久しぶりに報告させていただくのは会員番号001が長い月日をかけてやっと読めたガルシア・マルケスの短編集です。
タイトル Doce Cuentos Peregrinos
作者 ガブリエル・ガルシア・マルケス
ガルシア・マルケスの作品の中でも読みやすいとスペイン人に薦められて購入しました。確かに舞台はスペインやヨーロッパの国なので架空の村を舞台とした百年の孤独よりはずっとわかりやすいかもしれません。記述は簡潔でいきいきとしています。
が、それまでずっと児童文学のマノリートシリーズを読んでいた中級学習者の私にしてみればレベルアップ感は拭えません。しかし、さすがはノーベル賞作家のマルケス、短編の最初の一節から物語に引き込む力量がすばらしい。原著を読むとき、光景が目に浮かぶかどうかというのは大きなポイントで、特に短編の場合、舞台設定を飲み込むのに時間がかかると物語が終わってしまい、読後なんだかよくわからなかったということも起こりがちです。この本に納められている短編は出だしがどれも秀逸なのです。例えばEl Rastro de tu sangre en la Nieveの出だしはこんな感じです。
Al anochecer, cuando llegaron a la frontera, Nena Daconte se dio cuenta de que el dedo con el anillo de bodas la seguía sangrando.
日暮れに国境へつき、結婚指輪のはまった指から血が出ている、、、なんかドラマチックな物語の幕開け。いったい何が起こるのか、、、。まるで映画のワンシーンのようです。
余談ですが出身地にもよるかもしれませんがスペイン人は右手に結婚指輪をしている人が多いです。理由を聞いたら「じゃ、なんで左なの?」と逆に聞かれてしまいました。こうなると禅問答みたいですね。
その他、ふと道中で車が故障してバスに乗ったら、人生が変わってしまったという怖い話「Sólo vine a hablar por teléfono」など思わず引き込まれてしまう短編がつまった本です。秋の読書にぜひお薦めいたします。
では次回の読了倶楽部をお楽しみに!会員もひそやかに募集中です。
※読了倶楽部とはとくに活動はありませんが、スペイン語を原著で読もう、という倶楽部です。1冊でも読み終えたらあなたも読了倶楽部会員です。会員番号003以降空いているので、こっそり名乗り出て下さい。(m)
