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26/03/10

DELE道・5 旅行中に読む本

東京ではつい先日、桜の開花宣言があったというのになんだか肌寒いですね。3月も第4週ですが、USO INTERACTIVO DEL VOCABULARIOはまだ15課に入ったところ。さすがに今週末は家でも勉強しないとだめそうです。

さて、今月は連休もあったので小旅行にでかけたりもしたのですが、旅行中に読んだ本で面白かったのがこの本です。

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白水社刊、高橋覺二先生の「スペイン語表現ハンドブック」

高橋先生は南山大学で教鞭をとられるスペイン語の研究者でいらっしゃいますが、これは先生がコツコツと集められたスペイン語の表現集です。

いわゆる文法書とちがい、文法説明は最小限に抑えてスペイン語の「ニュアンス」を詳しく解説してある本です。もちろんスペイン語で何かを表現したいときにどういえばよいのか、という実用的な使い方を念頭におかれて作られている本ではあるのですが、読み物として読んでも面白かったのです。

特にすばらしいのがスペイン語の例文。ネイティブと話したことがある方なら、こういう言い方きいたことある!というものばかり。なんとなく聞き流していたけど、実はそういう意味があったのか、といまさらながら気づかされることが多いのです。いくつか本書より例をあげてみます。

【聞き返し】
相手の聞き返しに対して念を押す「、、、と尋ねているのです」は,
疑問詞のない疑問文のとき:que si....
疑問詞のある疑問文のとき:que+疑問詞
(中略)
¿Se hace usted responsable?-¿Cómo dice?-Que si hace usted responsable.
あなたは責任をとれますか?-何ですか?-あなたが責任をとれるかどうか[と尋ねているのです].
(中略)
¿Qué te dijo?-preguntó Carlos.-Que si me mandaba mi madre.-¿Y después?-Que si quería un caramelo.
彼は君に何て言ったの?とカルロスは尋ねた.-お母さんの言いつけで来たのかって.-それから?-キャラメルがほしいかって.
(中略)
相手の心の裏を読んで,「・・・しろとでもいうのですか?」は¿qué quieres?,¿que+接続法?
¿Qué querías?,¿que te lo dijera delante de él?
彼の前で君にそのことを言えとでもいうのか?

さて、分量にして半ページほどの口語表現ですが、自力ではなかなか出てこない言い回しです。ここが「文法として理解している」と「実際に使える」との間に流れる深くて広い川なのです。こういうのがすらっと出てくるようになるといいのですがねえ。勿論、スペイン語圏に滞在している期間の長い方、スペイン語圏の方と日常話す機会がある、映画などスペイン語で暗記するほど見ている、という方ならおなじみの表現なのかもしれません。しかし日本に住んでいて、メディア、書物などでしか情報を得られない大多数のスペイン語学習者にとってはとても役に立つ本ではないかと思われます。実は接続法よりも過去形表現の方が身につけるのが大変なんですよね。

また、先生、いったいどこからこんな文章を思いつくのですか?というような秀逸な文章ばかり。Que si hace usted responsable.の会話分からはスペインで暮らしているといろいろ生活を送るに当たって面倒なことが多いんだろうな、と推察してみたり、¿Qué querías?,¿que te lo dijera delante de él?の会話文からはどういう状況のときにこういう会話になるのか、、、と思わず想像してしまったり。

巻末にスペイン語索引と日本語索引がついているので、辞書だけでは理解できなかった場合に使ったり、スペイン語で文章を作りたいときに引いたりという実用的な使い方もできますが、勉強に飽きたときとか、テレビのCM中、電車の中などでぱっと目についたところを読んで、会話文を口に出して読んでみるという使い方もおすすめです。

先生の巻頭文によると、本書の対象者は「スペイン語の初級程度の知識を既に習得している人,または習得しつつある人」ということですが、私のような万年中級者、自然なネイティブ表現を目指される上級者の方にもよいのではないかと思います。昔、スペイン語の先生がおっしゃっていたのですが、外国語を学ぶときにゼロから何か話せるようになるレベルに上がるのは意外とたやすく、「とりあえず通じる」から「熟達した表現が使える」ようになるまでには、絶壁を這い上がるよう、な努力が必要だと、、、先は長いですね。でも楽しみながらいきましょう!(m)

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