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25/06/12

アルゼンチンひよっこ通信11 バス

日本の皆様こんにちは。アルゼンチン在住のスタッフMです。最近、日本の知り合いの方からありがたくも当ブログを読んでくださって「いろいろ大変ですねえ」と励ましのお言葉をいただくことがあります。たしかに海外生活は大変なことが多いのですが、言葉のメリットがあるとはいえ日本での生活もたやすくはないですよね。ブログの話題として「困ったこと」の方が話題として書きやすいこともあり、ついつい苦労話が多くなっていますが、勿論、アルゼンチンにも素敵なことや便利なことはたくさんあるのです。

本日はその一つ、バス(=colectivo, bondi)についてお伝えしたいと思います。いろいろストの多い地下鉄に比べて、バスは今のところストもなく市内を網の目のように走る重要な交通手段のひとつです。

手元の資料によると路線の数は約200。番号は1から749まで(数があいませんね)。地下鉄が縦に平行に何本か走っているのですが、バスは横にも走るので市内を移動するのには便利です。かなり狭い道も通り、2−3ブロックごとに止まるので行きたいところがあればまず、バスが走っているか調べてみます。

複雑なバス路線を調べるのには、キオスク(通りにたつ雑誌や新聞を売るスタンド)で売っているGuia Tという小冊子をまず見てみます。地元の人も必ず持っているという噂のこのバス路線ガイド。実用面ではWEBサイトを調べた方がわかりやすいのですが、根強い人気のこのガイド、街中でボロボロになったものを手にしている人を見ることもめずらしくはありません。

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中には街の地図と路線バスのイラストがあります。
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路線バスはその路線ごとに固有のカラーリングがあり、車体がカラフルにペイントされています。東京と違って、ボディの広告は最後部のみ。慣れてくるとカラーリングを見れば自分の普段使うバスが分かるようになっています。

その装飾たるやとにかく賑やか。シンプルとかミニマム・デザインという概念はここでは役に立たないのでしょう。3車線4車線はあたりまえ。交通量の多い中、とにかく目立つことが重要。

車内装飾も個体によって簡素だったりデコラティブだったり。
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磨りガラスの模様いり鏡やキルティングの日よけ、窓のカーテンや運転手さんが料金を確定する計算機(la caja recaudadora)にもカバーがかかっていることもあり、とにかく乗る度にそれぞれの趣向を眺めるのが楽しいのです。

しかし、乗ったらうかうかしてはいられません。運転手さんに行き先を告げて料金を支払い、すぐに財布をしまってどこかにつかまらなくてはいけません。

なぜならジェットコースター並みに揺れる

からです。例え座っていても、ブレーキがかかったときには前方にずり落ちそうになるくらいの勢い。カーブのときなどは「岸和田だんじり祭りのやりまわし」くらい(想像)の遠心力がかかります。よほど足腰が強靭でない限り、何も捕まらないで立っているのはほぼ不可能でしょう。

そのせいか、車内では譲り合い精神が実によく行き渡っています。車内の前方は優先席になっているのですが、優先席以外でも頻繁に席をゆずる光景が見られます。

席を譲られるのは
年配の女性
妊婦さん
子供
年配の男性
女性

妊婦さんは自己申告も可。年配の女性と妊婦さんは乗ってきた瞬間に、座っている数人が腰をうかす、と言っても誇張ではないでしょう。あなたが男性で健康な若者だった場合、バスではおちおち座っていられないかもしれません。譲らないでいると周りから注意されることもあるので、常にどんな人が乗ってくるか気を配っていないといけません。

若い女性の場合、わざわざ座っている人が席を譲ることはあまりない(譲られることもある)とはいえ、席が空いて側に女性と男性が立っていたら、どんなに男性の方が近くてもとりあえず女性に譲ってくれます。

面白いのが「指名制」。座っている人が降りるときに、近くに立っている人の中から自分が譲りたい人(女性もしくはやや年配の男性)に席を譲ってから立つ、というもの。

小さな親切がとっても嬉しいバスの車内。男性から親切にされると「ああ、やっぱり私は女性だったのね」と再確認できてまた嬉しい。出かける際には少なからずもこぎれいにして出て行こうかという気にさせてくれます。

一方で年配の男性には注意が必要です。かなりご年配に見えても男性は男性、若いご婦人から席を譲られると「う、、うむ」と少しプライドが傷つきながらも席に座ったり、「すぐおりますから」と断ったり。machismoも大変ですね。いろんな意味で。

席の譲り合いに加えてよく見られる光景が「道の教え合い」。地元の人とはいえいつも通勤・通学に使っているのでなければ、どこのバス停で降りていいのかわからないようで、「××通りにいくにはどうしたらいいの」と誰かが聞くと、誰かが(あるいは数人が)「○○通りを過ぎたらおりて、右にまがって2ブロックだよ」と親切に教えてくれます。

おかげで少し道案内のスペイン語を覚えました。
曲がる=doblar
ブロック=cuadra 距離のときはcuadra で区画をさす場合はmanzana
2ブロック先、と言いたいときは dos cuadras más alla
このブロックには2件洗濯屋がある、というときには en esta manzana hay dos lavaderos

東京都内ではあまり見られなくなった触れ合い、を体感できるブエノスアイレスのバスはこちらで出会った良い物のひとつです。

とはいえ、バスの困った面についてはいずれかの機会にご報告いたします。本日はちょっと良い話、で終わりたいと思います。最後まで読んでくださってありがとうございました。

注)地区や時期により事情は変わってくると思われます。さらに筆者の不勉強による思い違い、勘違いも十分予測されます。軽い読み物として楽しんでいただければ嬉しいです

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