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3/09/12

アルゼンチンひよこ通信20 エビータのお札

日本の皆様こんにちは!9月に入り、少し秋が感じられるようになったでしょうか?ここブエノスアイレスでは陽光に春らしさが垣間見えるようになってきました。気温も徐々に上がり、夜も冷え込まなくなって、晴れた日には人々がカフェやレストランの外の席でのんびりコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しんでいます。

しかし、個人的にはどこに一番、春の訪れを感じるかというと「虫」です。気温が上がったせいか家の中で小さい羽虫が飛び交うようになりました。秋のはじめにもかなりの数が飛んでいたのですが、冬の間は存在を忘れるほどになりをひそめていました。この羽虫、最初は窓から入ってくるのかと思っていたら、どうやら家の中で発生しているようです。

アルゼンチンの家はたいてい、台所やトイレなどタイル敷になっている場所には床に排水溝があります。掃除のときに、水で薄めた洗剤液を床に大胆にまいて、ゴムのワイパー(日本ですとガラスを拭くときにつかう掃除用具の柄が長いもの)でざーーっと汚れをこの排水溝に流し込みます。すぐに水が流れてくれればいいのですが、(たぶん)ゴミやら何やらが各所でつまっているせいかいつも水がたまって、そこに虫が(たぶん)発生するのです。私の住んでいるマンションでは月に1度、殺虫剤をこの排水溝に注入しにきてくれます(=
fumigación)。これをしてもらうとしばらくは出なくなるのですが、やはり春だからでしょうか。前回のfumigaciónから2週間しか立っていないのに、小さな羽虫がふんふんと飛び始めました。動きがとろいのですぐにつかまるのですが、春がきたお祝いとしてしばらくの間はみのがすことにしましょうか。

さて、春はいろんなことが始まる季節でもありますね。7月にエバ・ペロンの顔をあしらった新しい100ペソ札を発行するという発表がありましたが、どうやらここにきていろいろ問題が生じているようです。

Tropiezo con los billetes de Evita: deberían rediseñarse para entrar en circulación

エビータの新札つまづく:デザイン変更の必要も

Evitaconchristina 写真はリンク先のla Naciónより

そもそもこのお札は、エビータの愛称で親しまれている、歴史上アルゼンチンで最も有名な女性、Eva Perónの没後60周年を記念して作られるもので、初回発行は2000万札。このお札は国の造幣機関(La Casa de Moneda)に保存されていたという、エビータの死後1952年に発行される予定だった幻の5ペソ札のデザインをもとにしているということです。

7月末にこの発表があった時には、「約2週間で市場に出回る」という話でしたが実際のところまだ発行にいたっていません。

記事によると、発行遅延の原因の一つとして、お札の発行にお金がかかりすぎ、さらに国の造幣機関(La Casa de Moneda)の機械が古くて印刷がおいつかないということがあります。というのも、この国のお札の発行はCicconeという民間会社が行っていたのですが(!)副大統領のAmado Boudou氏との「不適切な関係」が取りざたされており(!)この新札は国の機関で発行する、ということが大前提となっているのです。

La Casa de Monedaの関係者によると「デザインを変更している」というのは虚報で「もう数週間で=en las proximas semanasで市場に出回るだろう」とのこと。しかしこのコメントも公式ではなく、一向に明確な発行日は発表されていません。

しかもこのお札、ATMなどの機械に対応していないのではないかという危惧もあり、El Banco Central de Ripública Argentina(アルゼンチン共和国中央銀行)の総裁Mercedes Marcó del Pont女史によると「機械に改善の余地あり」とのこと。(declaró públicamente que los cajeros iban a ser "readecuados")とはいえLa Nación紙の調べでは現時点で銀行には機械の新札対応について何の指示も来ていないと。

国の古い機械でも経済的に印刷できるような、しかも現在流通している機械でも使えるようなお札にするためにデザイン変更が必要なのでしょうか?というか今更そういうことに気づいたのでしょうか??

La Casa de Monedaの局長(Presidenta)であるKatya Daura女史によると「当局は記念紙幣の2000万札のみの発行を行うことになっており、すでに100万札は印刷済みである」とのこと。

新札はしばらくの間は現在18億札以上流通しているJulio Argentino Roca氏の顔の100ペソ札と平行して使用されるものの、その後は置き換わらないといけないわけで、一体、最初の2000万札以降はどこが発行するのでしょう??

ちなみに現行の100ペソ札はお札のナンバリングに使用しているアルファベットが「U」まで来てしまい、新札の発行により「A」に戻さないといけない、という事情もあるようです。

さてこのエビータのお札、1952年に企画されたときは1955年の9月に起きたLa Revolución Libertadoraにより発行にいたらなかったという曰くがあるようですが今回は無事に流通するでしょうか?

ところでこのお札に関わる重要人物である、La Casa de Monedaの責任者も中央銀行の総裁も女性であるということに、あらためて驚いています。日本でも女性の管理職は随分増えてきましたが、日銀総裁と造幣局長がともに女性、という状況は想像しにくいですね。

後日談:11月中旬をすぎて、スーパーでこのお札を使おうとしている女性をみかけました。店員さんに「このお札は受け取れない」と言われて、荷物を置いて怒って(?)帰ってしまいました。

■このニュースがわかるかもしれない単語集
circulación 流通
confección 製造(この場合お札の)
denominación DRAE:1. f. Nombre, título o sobrenombre con que se distinguen las personas y las cosas. この場合お札に降るアルファベット
boceto  下絵(この場合お札の)

注)地区や時期により事情は変わってくると思われます。さらに筆者の不勉強による思い違い、勘違いも十分予測されます。軽い読み物として楽しんでいただければ嬉しいです

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