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20/09/12

アルゼンチンひよこ通信22 ブエノスアイレスの人々

皆様こんにちは。「暑さ、寒さも彼岸まで」という言葉がありますがそろそろ涼しくなっているでしょうか。ブエノスアイレスは春の陽気があったかと思いきやまたもや冷たい南風が吹いて冬に逆戻りです。

前回お知らせした「鍋たたき=cacerolazo」は全国的な一大抗議行動だったようですが、政府はそれを過小評価し、何事もなかったかのようです。今回のprotesta=抗議を勝手にまとめるとすると、「中流以上から税金を取って、支持層である貧困層にお金をばらまき票を得る」という政府のやり方にお金をとられるばかりの中流以上が憤慨したということなのではないでしょうか。中流以上の家庭が家も買えないという記事も載っていましたし、中流以上が住む住宅地で老婆のふりをして女性を捕まえるという誘拐事件などもささやかれており、いろいろ大変な今日この頃です。

さて、今回は、半年のまとめとして私が個人的に観たブエノスアイレスの人=porteños達の印象についてお話したいと思います。知り合ったのは主に白人の中流以上の方々ですが、(今回の抗議行動に参加するような層の人々)どういう印象を持ったか思いつくままに列挙すると、

個人主義、都会人、教養が高い、向上心がある、精神的なものに興味がある、プライドが高い、政治の話が大好き、行列に慣れている、ペットをかわいがる、女性が多い

最後の「女性が多い」は性格的なものではなく、実際に統計で出ている事実なのですが、この女性の多さがブエノスアイレスらしさを作り出している要因のひとつのような気がします。

以前にもご紹介したように、大統領から始まって要職についている女性も多く、共働きが普通で女性の社会進出がとても進んでいるように見受けられます。街中の飲食店でも20代後半くらいのグループから高齢者グループまで、女性ばっかりというテーブルも目につきますし、南米では珍しく夜中に通りを女性が歩いていますし、全国紙であるLa Nación系列の女性誌「OHLALÁ」はcomunidad de mujeres=女性共同体をテーマにしていて、記事も「女性と働くのはすばらしい」「働く女性のマネー」「親友が他の女友達と仲良くしている」「30代を迎えて考える」「出産について考える」などなど女性を中心にした実用情報が載っています。

Portena 画像は上記雑誌OHLALÁのサイトより

女性が購買力があるとなると、それに呼応してサービス業も自ずと女性向けとなり、男性1人では入るのがためらわれるようなラブリーなカフェとか
http://www.pani.com.ar/ ここはオーナーも30代前半の女性
ラブリーなインテリア雑貨店も人気です。
http://www.casa-chic.com/

また、ファッションや手芸などセンスをいかして起業する女性も多く街中にこの手の小さなお店をいくつも見かけます。女性の社会進出をうけて化粧品需要が上昇し、メイクアップの仕事を目指す女性も増えいているという記事がありました。

共働きが多いので、お手伝いさん=mucamaを雇うことはごく一般的で、お掃除、洗濯、日常の買い物、食事の支度、子供のお迎えまでお手伝いさんがカバーするようです。働く独身の女性もお手伝いさんを雇うこともごく普通で、うちのマンションの洗濯室でみかけるのも昼間はほとんどお手伝いさんらしき人々ばかりです。年を取ってからも、お手伝いさんを雇う人が多いのか、お手伝いさんに付き添われてスーパーに行くおばあさんもよく見かけます。

私の知り合ったこちらの女性は、早口で活動的。向上心旺盛で仕事帰りに習い事をしたり学校に通う人も少なくありません。そのせいか、大学院の授業は夜に行われることが多く、セメスター制で開講時期も柔軟なようです。

私の知っているスペイン人に比べると、他人に関心が無く一見、冷たそうでせかせかしています。なんでもかまってくれるスペイン人に比べて、愛想がないなあ、と最初は思いましたが、その反面、こちらの女性はうわさ話をしたり他人に意地悪をすることもあまりなく、そんな暇があったら自分のしたいことをする!という感じです。他人に対する依存度が低くて「自分の人生は自分でつくる」という態度が明確で気持ちがよいのです。

あなたが女性で、自分でやりたいことがあったらブエノスアイレスはひょっとしたら、とても住みやすいかもしれません。実際、ヨーロッパからブエノスアイレスに移住してレストランを開いたり、デザイナーになったりという女性の話をちらほら聞きます。私は女性なので、ブエノスアイレスの女性達=porteñasの印象は良いのですが、男性から見ると「ややがさつ」に映るようです。男性の目を意識している女性があまりいないからかもしれませんね。

一方で男性は、私の受けた印象ですと、女性には非常に礼儀正しくておとなしめだけど、ややsusceptibleな傾向があるような。女性が多いからといって、男性への気配りも忘れてはいけませんね。はい。

注)地区や時期により事情は変わってくると思われます。さらに筆者の不勉強による思い違い、勘違いも十分予測されます。軽い読み物として楽しんでいただければ嬉しいです。

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14/09/12

アルゼンチンひよこ通信21 海外でのお買い物

日本の皆様こんにちは!関東地方は秋の気配が感じられるころでしょうか?

今日お届けするニュースが少し複雑なので毎日、関連記事とにらめっこしているうちに、アルゼンチン名物のCacerolazoが始まってしまいました!(9月13日午後7時半より)前にもお伝えしましたが、政府に反対の意を表明するために市民が鍋をたたく抗議行動です。車がクラクションをならすBocinaも加わってうるさいのなんの。ネットのニュース中継によると、群衆がCasa Rosada(大統領府)にむかって移動しているところだそうです。「憲法改正反対」「治安悪化」「再再選反対」「Onceの電車事故」そしてこれからご紹介する「海外での買い物制限」が今回の主な抗議内容です。未消化の部分もありますが、とにかくお伝えしたいと思います!

Caserolazo0913 写真は上記リンクより転載しました。

さて、その昔、東京近郊の子供達の間ではフォルクスワーゲンのビートルをみかけると数を数える、という遊びが流行りました。黒のビートルを見ると数がゼロに戻るとか、白は2台分とかローカルルールもあったと思います。基本的に自己申告制だし、たくさん数を数えたところでどうといったことはない他愛も無い遊びでしたが、なぜそんなことを思い出したかというと、ここブエノスアイレスのレコレータ、パレルモ、ベルグラーノといった、中流から上流家庭が多く居住するいわゆる「山の手」地域を歩いていると、「GAP」のロゴがついたトレーナー、パーカーを来ている人をしょっちゅう見かけるのです。小さな子供からティーンエイジャー、30代くらいの大人まで誇らしげに胸にGAPの文字を掲げて歩いています。思わず、「1GAP、2GAP、、、」と数えてしまいたくなるくらい。

これはもちろん、日本にも支店のあるアメリカのカジュアル衣料品メーカー、GAPのもののようです。しかしながら、、、アメリカの公式サイトを調べてもアルゼンチンにGAPのお店は無いようです。以前にもちらりと書かせていただきましたが、アルゼンチンでは国内衣料産業を護るために海外ブランドの進出がかなり制限されているのです。つまりブエノスアイレスでGAPを着ている人は、バケーションでアメリカに行って買ってきたか、高い送料をかけてアメリカからオンラインショッピングで取り寄せていると推察されます。 GAPを着ているということは日本でのようなお手頃衣料品としてではなく、「アメリカに旅行にいくような」もしくは「海外通販で買っちゃう」ような、余裕があるという人の証なのでしょう。それなら、まさにロゴ入りでないと意味がない。

知ってたら日本で買ってきたのに!

というのは冗談です。しかしそのような中流以上家庭の愉しみからも税金が徴収されるようだ、、というのが今回お伝えするニュースです。

先週の月曜日、夜11時半過ぎだったでしょうか、窓の外から金属音が聞こえてきました。ひょっとしてこれはまたアルゼンチン名物のあの鍋をたたく抗議行動、cacerolazoではないか!と思ってテレビを付けたところ、アルゼンチン大統領、クリスティーナ・キルチネルさんが演説をしているではありませんか。

この演説は、el Día de la Industria=産業の日に国内産業を司る1900の会社の代表が招かれた晩餐会において、主にドル買い規制と輸入規制の正統性を主張するために行われました。さらに政府が導入する新規制=el cepo cambiarioについても触れたのですが、この規制とは、、

まず9月から導入されたのは、国民が海外で使うクレジットカードに15%の税金をかける。さらに隣接しない国(主にアメリカ)で総計で300USドル以上の買い物をした場合と、隣接する国で150USドル以上の買い物をした場合には超過した分の50%を税金として支払わなくてはならない、というもの。

La AFIP retendrá 15% por las compras con tarjeta en el exterior

Endurece la AFIP el control de las compras en el exterior

この新たな税金は、空港の税関で自らカードの控えを見せて申告する、あるいはカード会社から提供された情報により、納税者に後日通知する、というようにかなり厳しく徴収されるようです。対象はクレジットカードのみではなく、銀行のデビットカード、インターネットでの買い物にも適用されるとか。納税者はこの15%の税金については年に一度、年度末に他の税金を払う際に還付金を申請できるようです。

とにかく、外国へのお金の流出を防ぎたい、という意向なのでしょうが、実際に行使するのにはかなり手間がかかるような気がいたします。とにかく膨大な量の情報が AFIP(La Administración Federal de Ingresos Públicos)=国税局?に集まりそれをもとに徴税しまた年度末に還付もしくは相殺する、、なんて考えただけでもすごい手間なのではないでしょうか。

大統領は演説の中でこのel cepo cambiarioのことについてふれ、

“No somos un país emisor de dólares”

「私達ははドルを放出する国ではない」ドルは輸入のため、国の借金返済(債券の利札の支払い)のために使わなくてはならない。と述べています。

いろいろ締め付けの厳しい中流以上家庭にとってはバケーションの愉しみが奪われる上に、治安のいいとされていたレコレータやパレルモなどの住宅街にも近頃、強盗、空き巣の被害が頻発し、税金は増えるわ安全は保証されないわ、でそれは「鍋もたたきたくなるだろう」という気がしてきました。

しかし一方で日々の生活にも困る人々が存在することもたしかなわけで、その人々にとっては海外旅行ができるような層からはお金をとってしかるべき、とも考えられます。全ての人を満足させる政治をすることの難しさを改めて感じさせられたニュースでした。

注)地区や時期により事情は変わってくると思われます。さらに筆者の不勉強による思い違い、勘違いも十分予測されます。軽い読み物として楽しんでいただければ嬉しいです

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3/09/12

アルゼンチンひよこ通信20 エビータのお札

日本の皆様こんにちは!9月に入り、少し秋が感じられるようになったでしょうか?ここブエノスアイレスでは陽光に春らしさが垣間見えるようになってきました。気温も徐々に上がり、夜も冷え込まなくなって、晴れた日には人々がカフェやレストランの外の席でのんびりコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しんでいます。

しかし、個人的にはどこに一番、春の訪れを感じるかというと「虫」です。気温が上がったせいか家の中で小さい羽虫が飛び交うようになりました。秋のはじめにもかなりの数が飛んでいたのですが、冬の間は存在を忘れるほどになりをひそめていました。この羽虫、最初は窓から入ってくるのかと思っていたら、どうやら家の中で発生しているようです。

アルゼンチンの家はたいてい、台所やトイレなどタイル敷になっている場所には床に排水溝があります。掃除のときに、水で薄めた洗剤液を床に大胆にまいて、ゴムのワイパー(日本ですとガラスを拭くときにつかう掃除用具の柄が長いもの)でざーーっと汚れをこの排水溝に流し込みます。すぐに水が流れてくれればいいのですが、(たぶん)ゴミやら何やらが各所でつまっているせいかいつも水がたまって、そこに虫が(たぶん)発生するのです。私の住んでいるマンションでは月に1度、殺虫剤をこの排水溝に注入しにきてくれます(=
fumigación)。これをしてもらうとしばらくは出なくなるのですが、やはり春だからでしょうか。前回のfumigaciónから2週間しか立っていないのに、小さな羽虫がふんふんと飛び始めました。動きがとろいのですぐにつかまるのですが、春がきたお祝いとしてしばらくの間はみのがすことにしましょうか。

さて、春はいろんなことが始まる季節でもありますね。7月にエバ・ペロンの顔をあしらった新しい100ペソ札を発行するという発表がありましたが、どうやらここにきていろいろ問題が生じているようです。

Tropiezo con los billetes de Evita: deberían rediseñarse para entrar en circulación

エビータの新札つまづく:デザイン変更の必要も

Evitaconchristina 写真はリンク先のla Naciónより

そもそもこのお札は、エビータの愛称で親しまれている、歴史上アルゼンチンで最も有名な女性、Eva Perónの没後60周年を記念して作られるもので、初回発行は2000万札。このお札は国の造幣機関(La Casa de Moneda)に保存されていたという、エビータの死後1952年に発行される予定だった幻の5ペソ札のデザインをもとにしているということです。

7月末にこの発表があった時には、「約2週間で市場に出回る」という話でしたが実際のところまだ発行にいたっていません。

記事によると、発行遅延の原因の一つとして、お札の発行にお金がかかりすぎ、さらに国の造幣機関(La Casa de Moneda)の機械が古くて印刷がおいつかないということがあります。というのも、この国のお札の発行はCicconeという民間会社が行っていたのですが(!)副大統領のAmado Boudou氏との「不適切な関係」が取りざたされており(!)この新札は国の機関で発行する、ということが大前提となっているのです。

La Casa de Monedaの関係者によると「デザインを変更している」というのは虚報で「もう数週間で=en las proximas semanasで市場に出回るだろう」とのこと。しかしこのコメントも公式ではなく、一向に明確な発行日は発表されていません。

しかもこのお札、ATMなどの機械に対応していないのではないかという危惧もあり、El Banco Central de Ripública Argentina(アルゼンチン共和国中央銀行)の総裁Mercedes Marcó del Pont女史によると「機械に改善の余地あり」とのこと。(declaró públicamente que los cajeros iban a ser "readecuados")とはいえLa Nación紙の調べでは現時点で銀行には機械の新札対応について何の指示も来ていないと。

国の古い機械でも経済的に印刷できるような、しかも現在流通している機械でも使えるようなお札にするためにデザイン変更が必要なのでしょうか?というか今更そういうことに気づいたのでしょうか??

La Casa de Monedaの局長(Presidenta)であるKatya Daura女史によると「当局は記念紙幣の2000万札のみの発行を行うことになっており、すでに100万札は印刷済みである」とのこと。

新札はしばらくの間は現在18億札以上流通しているJulio Argentino Roca氏の顔の100ペソ札と平行して使用されるものの、その後は置き換わらないといけないわけで、一体、最初の2000万札以降はどこが発行するのでしょう??

ちなみに現行の100ペソ札はお札のナンバリングに使用しているアルファベットが「U」まで来てしまい、新札の発行により「A」に戻さないといけない、という事情もあるようです。

さてこのエビータのお札、1952年に企画されたときは1955年の9月に起きたLa Revolución Libertadoraにより発行にいたらなかったという曰くがあるようですが今回は無事に流通するでしょうか?

ところでこのお札に関わる重要人物である、La Casa de Monedaの責任者も中央銀行の総裁も女性であるということに、あらためて驚いています。日本でも女性の管理職は随分増えてきましたが、日銀総裁と造幣局長がともに女性、という状況は想像しにくいですね。

後日談:11月中旬をすぎて、スーパーでこのお札を使おうとしている女性をみかけました。店員さんに「このお札は受け取れない」と言われて、荷物を置いて怒って(?)帰ってしまいました。

■このニュースがわかるかもしれない単語集
circulación 流通
confección 製造(この場合お札の)
denominación DRAE:1. f. Nombre, título o sobrenombre con que se distinguen las personas y las cosas. この場合お札に降るアルファベット
boceto  下絵(この場合お札の)

注)地区や時期により事情は変わってくると思われます。さらに筆者の不勉強による思い違い、勘違いも十分予測されます。軽い読み物として楽しんでいただければ嬉しいです

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