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7/10/12

アルゼンチンひよこ通信23 番外編:プエルトリコ

しばらくのご無沙汰でした。関東地方はすでに秋めいてきたころでしょうか。留守の間にどこに行っていたかというと、今なお夏まっさかりのプエルトリコに行っていました。

プエルトリコ=Puerto Ricoはカリブ海のドミニカ共和国の隣にある島国ですが、政治的には米国自治連邦区=commonwealthとなりサイパン島を含む北マリアナ諸島と同じ扱いで、アメリカ合衆国でもなければ、独立国というわけでもありません。主立った公共施設にはアメリカ合衆国とプエルトリコの旗の両方が掲げられ、郵便もUnited States Postal Serviceのオフィスがあり、合衆国本土からプエルトリコに飛ぶときも国内便扱いで、パスポートコントロールはありません。一方で、プエルトリコ市民には申請して手続きを踏まない限り、合衆国大統領選への投票権はなく、プエルトリコの知事選は合衆国大統領選と同じ日に行われます。

ただ、生活スタイルはかなり北米化していて、通りには北米資本の大手チェーン系スーパーが並び、片側4車線のハイウェイが整備され、北米的な肥満傾向の住民を見かけます。観光業に従事する人々はほとんどが英語を話し、「北米のようにすごせるカリブ海リゾート」ともいえるでしょう。

Puertoricowalgreens

個人的には、滞在先の近くにあった北米系スーパーのWalgreensに入って、10種類以上のマスカラが並んでいるのを見たときに「ここはアメリカ合衆国だ!」と思いました。ブエノスアイレスでも生活するのには問題ないくらいに物が手に入りますが、アイテムごとの選択肢はかなり限られているといえます。スーパーに入ると、いろんな品物が並んでいるように見えますが、よく見ると同じ商品がずらっと並んでいるだけで、「比較検討して買う」ということはあまりできません。必要なものがあったら、それが無くならないうちに買うのみです。というのも、つい最近までみかけていたものが、原材料の輸入規制やら、作業員のストやら、運搬人のストやらで突然、手に入らなくなったりするからです。ある時に買い、なければ諦めるという消費行動が半年のブエノスアイレス生活でいつの間にか身に付いていました。

勿論、マテ茶やお菓子、パスタなどの食料品や自国製品にはいくつか種類があり比較検討する楽しみもあるのですが、やはりアメリカ合衆国の豊富な選択肢に比べるとささやかなものだと思います。

Walgreensで似ているようで微妙に違うマスカラがずらずらと並んでいるのを見て、頭がクラクラしてとりあえず、一旦、滞在先に戻ってネットで口コミを調べてから再度、購入しました。マスカラ1本買うのに手間がかかるといえばかかりますね。ブエノスアイレスでは、一部のチェーン系ドラッグストアを除けば、昔ながらの対面式薬局がほとんどなので、店に入って、店員さんに欲しいものを告げ、説明を受けて納得がいったものを購入という手順です。コミュニケーションがわずらわしいような気もしますが、ネットで口コミを調べて、またその口コミが信用できるかどうか疑いながらまた調べて、、、という苦労を思えば、店の人に聞いた方が早い、という気もいたします。セルバンテス書店にいらっしゃる皆さんも遠慮なく、お店のスタッフに相談してみてくださいね。

話が逸れましたが、実はプエルトリコにいくのは今回で2回目となります。前回、プエルトリコに来たときはOld Sun Juanという旧市街とプエルトリコ大学のあるRio Piedrasを訪問しました。旧市街の建物を彩る鮮やかな壁の色に比べて、Rio Piedrasのシャッターの閉じた通りやあちこちに書きなぐられたイタズラ書きが不穏な雰囲気に見受けられました。やはり、観光地区以外は貧しい場所が多いんだなあと感じたのですが、ブエノスアイレスで半年暮らしてから再訪してみると、部分的にプエルトリコの方が豊かに見えてくるから不思議です。

まず、電車とバスが新しくてきれい。トイレの鍵がかかる。スーパーに商品がいっぱいある。衣料品や生活備品が安い。自家用車がきれい。(そして運転手が歩行者を優先してくれる!ブエノスアイレスでは車の運転は総じて荒く、うかうかしていると轢かれそうになります)ハイウェイが立派。

Puertoricocubo ゴミ箱も立派

その一方で、地元の方の説明によるとプエルトリコで職についている人の割合は住民の40%しかなく、ここ数年で観光業の売り上げも落ち込み、ヨーロッパからの直行便も数が減り、暮らしは決して豊かではないということです。

人気の観光地であり、地元の富裕層が住むというCondado地区を歩いていると、ビーチ沿いにホテルやマンションが立ち並び、音楽を聞きながらジョギングをする人がいて、まるでカリフォルニアかどこかのようでした。しかし夕方になると草むらから「コキ、コキ」と甲高い鳥の声のようなものが聞こえてきます。これはプエルトリコにしかいないカエルの泣き声なのです。

Puertoricoplaya

アメリカ合衆国という国はどこかの土地を「アメリカ化する」ということに非常にたけた国なのだなあと思いました。アメリカ化すればとりあえず快適な場所は手に入るのでしょうが、それと引き換えにその国らしさ、というものは失われてしまうのかもしれません。

とはいえ、まだ、プエルトリコの公用語はスペイン語である、というのがほっとしました。

■プエルトリコで出会ったスペイン語

guagua バスのこと。バスをこう呼ぶのはキューバとプエルトリコとカナリア諸島だそうです。

mantecado アイスクリームのこと。

注)地区や時期により事情は変わってくると思われます。さらに筆者の不勉強による思い違い、勘違いも十分予測されます。軽い読み物として楽しんでいただければ嬉しいです。

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