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30/08/13

地中海式 人生のレシピ--元気になる映画--

久々に痛快な映画を見たのでご紹介いたします。
スペイン映画というと、良くも悪くも「重い」作品が多いような印象がありましたが、このホアキン・オリストレル監督による『地中海式 人生のレシピ』はテンポもよく文句なく楽しめる作品でした。
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この写真をみて分かるように、主人公は女性1人と男性2人の3人。通常、三角関係の場合、女性はどちらを選ぶのか…というのがストーリーの着地点になるものですが、この映画の場合はその選択すらも彼らの人生の一部でしかない、というところが面白かった。選択しようがしまいが、人生は続いていくわけで、いわば選択の連続、かなり長いスパンで撮った映画です。邦題が「人生のレシピ」となっているのもしごく納得。原題はDieta Mediterranea 直訳すると地中海式料理とか地中海式食事法、となるでしょうか。

舞台はバルセロナの小さな港町。特に観光名所でもない「しけた」田舎町ですが、そこで育った幼なじみの3人がレストラン業で成功していく様子を描いた作品です。天才的な味覚のセンスを持つソフィアが、子供を産み、結婚し、一流の料理人としてキャリアを積んでいくストーリー。母であり、妻であり、恋人でもある、子供も結婚も成功もすべて手にする女性。こう書くと、欲張りすぎじゃないか?と思えるのですが、映画を見ている分にはあまり気になりません。というのも、そもそもすべてを手に入れることがソフィアの目標ではなかったからです。「一流の料理人になりたい」という野望をいだきつつも、人生の節目では、その夢を一旦あきらめ、妻となり母となりながらも希望を捨てずにつっぱしってきた結果として手に入れたものだったから。

実際にはスペインと言えども、こんな素敵な男性が身近に2人もいることはまずないし(更に言えば30才を過ぎても髪の毛がふさふさな方は稀有だし)、スペインの景気も一向によくならないし、あくまで夢物語なのですが、映画だからいいのです。2時間、日常から離れて、スペインの美しい景色と美味しそうな食事(かの伝説的なレストラン、エル・ブリ協力)を見て、頭を空っぽにすること、それが大事なのではないでしょうか。

もう一つ、この映画を見て改めていいなあ、と思ったのが、スペイン人の持つ「家族感」です。この映画では他の村人になんと言われようと、「家族だからいいじゃない!」とどこまでもかばってくれる身内が描かれています。日本ならば、「家の恥となるな」という考えに代表されるように、時に、家族が一番厳しかったりするものですが、この映画に登場する家族は身内にどこまでも優しい。この映画は実は女性の生き方を描いたのではなく、家族のあり方をテーマにした作品なのではないかなあと思いました。家族は社会の最小単位ですから、家族に優しくなれなければ社会そのものも寒々しいものになってしまうのかもしれません。

失業率が高かろうが、なんだか幸せそうなスペイン。日本にはない価値観に触れて、頭のどこかの栓がスポンと抜けること、これが外国映画を見る醍醐味の一つだと思います。映画の公開は2013年10月19日(土)より、シネマート六本木を皮切りに全国順次公開です。見た後、足取り軽く帰れる映画です。おすすめ!(m)

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