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27/10/23

【ちょっと余談】音声ダウンロードについて

大変お久しぶりです😃
実践!ビジネススペイン語ハンドブック」の「おわりに」に登場するスタッフT(元Y)です。
イニシャルトーク(?)はさておき…

3年前からこつこつEDELSA社のCEFR準拠の文法問題集"En Uso"シリーズで、
改めて文法を学習し直しているのですが、この話はまた別の機会に…(B1レベルまで進みました!)

おっと、前置きが長くなりましたが、今回は「音声ダウンロード」についてちょっと書いてみます。


Photo_20231027190101


体感ではこの5,6年で一気に、洋書スペイン語教科書や教材の音声素材が
CDからダウンロード式に変わりました。
現在セルバンテス書店で扱っている洋書教材で音声CDが付属しているものはほんのわずかです。

弊社オンラインショップでも、タイトルに「音声ダウンロード」と記載していたのですが、
今やほとんどが音声ダウンロード式に変わっているので、
CDついているタイトルのみ「+ CD」としています。
ダウンロード式の教材は各商品の詳細にダウンロードのリンク先や方法などを載せていますので、
気になる教材があったら、ぜひ詳細ページをご覧ください。

※まれにリーディング教材で音声素材のないタイトルがあります。
そのようなタイトルには詳細ページに音声付録がない旨を記載しています。

ダウンロードのできるものは、教材の表紙や裏表紙などに"Audio descargable"と
スペイン語で表記されています。
↓例えばこんな感じ(Las Claves del Nuevo DELE B2)
Lasclaves

書店で手に取った時に、迷ったらこのヘッドフォンのマークや、
"Audio descargable"という表記がどこかにないかチェックしてみてください。

さて"descargable"という単語、IT関連の新しい単語なので西和辞典に載ってないことがあります。
"Descargar"という動詞に-ble「~できる」「~し得る」という接尾辞がついた形容詞です。
ところが、スペインの辞書、たとえばこれこれにも載っていませんでした。
Real Academia Españolaのオンライン辞書には
"Que se puede descargar"という説明のみ(シンプル!)

では"descargar"とは?
西和辞典で引くと「~から荷を降ろす」「取り除く」などの意味が続いて、9番目にようやく、
「【IT】ダウンロードする」と出てきます。
そもそも"cargar"「背負う」「積む」「【IT】(プログラム・データを)ロードする」と言った意味を持つ動詞に、今度は"des-"「正反対、否定」「分離」という接頭辞をつけた動詞です。
データをロードしたものを離す…つまりダウンロード?となんとなくイメージできたような。

"Cargar"の説明はちょっと余談でしたが、
つまり"descargar"(ダウンロードする)+"-ble(できる)"=descargable (ダウンロードできる)
ということになります。言葉を分解していくといろいろ発見がありますね~👀

Audio+descargableということで音声+ダウンロードとなるわけです。
DELE試験対策問題集はDELE試験に聴解問題があるので、
たいていのものは何らかの形で音声をダウンロードして利用できます。

音声素材ダウンロード可能な教材はダウンロードの前に、アカウント登録が必要だったり、
登録の際に本についているコードを入力したり…とひと手間あります。
各出版社ごとの登録方法や利用方法など、私たちが日本語でマニュアルを作っていますので、
全部スペイン語だから不安だ…と思われたら、あわせてご参考にしてみてくださいね。

それでは、また✋


20/10/23

【2024年からDELE C1, C2が新試験に!】どう変わる?問題集はどうする?など。


どうも。
噂には聞いていた「2024年からDELE C1とC2の試験形式が変わるらしい…」という話、
インスティトゥト・セルバンテスの本部が公式に発表していました。
(今見たら9月半ばにはすでに発表されてたんですね…)

398

ここでは変更点などを簡単にまとめて(自分でもどう変わるか理解するためにも)、
今ある問題集は使えるの?どれで勉強する?などを書いていきます。

※本記事はあくまでまとめですので本部の発表内容や詳細など、
オリジナルをチェックする方はこちらからご確認ください。

【目次】

1.いつから新試験に変わるの?
2.新試験ではどのような変更があるのか
3.新試験の試験モデルや試験形式の詳細はいつ発表されるのか
4.新試験に対応した問題集が出るのはいつ?
5.今出ているC1, C2の問題集は使うことができるのか


(今更ですが目次機能つけてみました。これで興味のあるトピックに飛びやすくなります?)

1.いつから新試験に変わるの?

「2024年の最初の試験から変わる」とのことなので、以下のように発表されています。

C1→2024年の4月から
C2→2024年の5月から

(※2023年の11月試験では、引き続き現行の試験形式で行われます)

このスケジュールは本国での実施に基づくものですが、
日本の場合もC1が最初にあるのは4月、C2が最初にあるのは5月なので、
本部の発表をもとに考えると、C1は4月から、C2は5月からと考えてよさそうですね。

※ただし!
まだ2024年の公式試験スケジュールは発表されていないので、
気になる方はインスティトゥト・セルバンテス東京がスケジュールを発表し次第、
直接確認してみるのが良いと思います。

インスティトゥト・セルバンテス東京のDELEのページはこちら


2.新試験ではどのような変更があるのか

試験内容の変更は軽微で、問いの数や、それぞれのパート(読解、聴解、文章表現、口頭表現)で
理解したり作成すべき文章の種類は変わらない」

とあるので、受験する側にとってはそこまで大きな変更点ではないのかな?と思われます。

大きな変更点と言えば、採点基準の変更で、受験者が文章(内容)を作成するようなパートに、
新たに「mediación」という項目が加わるそう。
(この「mediación」って、最近の教授法のトレンドなんだそう)

ということで、文章表現問題(作文)と口頭表現問題(面接)が以下のような名前に変わるようです。

文章表現問題(作文)→prueba de Expresión, mediación e interacción escritas
口頭表現問題(面接)→prueba de Expresión, mediación e interacción orales

以下、パート別にみると

読解問題
C1→変更なし
C2→Tarea 5に変更あり。現状は問いが15問あるが、7問になる。
また、最後に新しいTareaが1つ追加され、8つの問いが設けられる。
(つまり、新しい設問が1つ追加されるが、全体の問いの数は現行の試験と同じということですかね?)

聴解問題
C1→Tarea 1に変更が生じるが、求められる能力、出題文の種類、問いの数には変更なし。
C2→特に言及なし(変更なしということ…?)

文章表現問題
C1とC2両方→採点基準に変更あり。
採点項目の「holística」が廃止され、「mediación」を重視した採点基準が追加される。

口頭表現問題
C1とC2両方→採点基準に変更あり。
扱うテーマごとに「mediación」を重視した採点基準が追加される。

(なので先ほど書いたように「prueba de Expresión, mediación e interacción escritas」と
「prueba de Expresión, mediación e interacción orales」という名前に変更になるんですね)

特に文章表現問題と口頭表現問題に関しては、
試験形式の変更というより採点基準にのみ言及されているので、
実際に試験形式の詳細や試験モデルが公開されてから
採点基準の変更が受験者側にどう影響するのかを見ていきたいです。

ひとまず、読解問題と聴解問題に関してはそこまで大きな変更はない印象を受けます。


3.新試験の試験モデルや試験形式の詳細はいつ発表されるのか

2023年の11月試験が終わり次第、こちらの本部のページで公開されるようです。

あともう少しですね。


4.新試験に対応した問題集が出るのはいつ?

これ結構気になりますよね。
どの出版社も、上記で述べた「新試験の試験モデルや試験形式の詳細」がオフィシャルに公開された後に
新試験対応の問題集を作り始めるので、早くても年明け以降だろうな…と予想しています。

おそらく、どこかの出版社は一回目の試験(C1なら2024年4月、C2なら5月)までには出版すると思うので、
来年の2月~3月頃には何かしらの情報は出てくるんじゃないかなと思います。
(完全に予想ですけど)

ちなみに、あくまで参考程度ですが、2020年にA1, A2の試験形式が変更になった際は、
年末に試験形式の変更が発表されて、翌年の2月くらいには
EDELSAがPreparación al DELE A1, A2の新試験対応版を出していました。


5.今出ているC1, C2の問題集は使うことができるのか

じゃあ新試験対応版がでるまでどうやって勉強したら良い?
今出ているC1,C2と書かれた問題集は使える?ということですが、
結論から言うと、全然使うことはできると感じています。

読解問題と聴解問題については今回の公式発表を見る限りそこまで変更はなさそうなので、
今出ている模擬試験集を使って、読む力や聞く力、語彙力などを勉強できると思います。
(作文と口頭試験のみ、試験モデルや詳しい評価基準が公開されてみないと何とも言えませんが…)

以下、既存の問題集を使ってできる勉強はこんな感じです。


・LAS CLAVES DEL NUEVO DELE C1

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前半部分が「練習パート」、後半部分が「模擬試験パート」に分かれた問題集です。
特に、「練習パート」では、長文読解、リスニング、穴埋め、文法&語彙のまとめなど、
C1に必要な技能を鍛えることができる(C1を受けるための土台作り?)のでオススメです。

そのほかのC1対策問題集でも、模擬試験を解くとこで
C1に必要な読む、書く、語彙の技能は鍛えることができるので
新試験対応版が出るまでに何か勉強したい、という方は使えると思います。
今出ている情報だと、読解問題と聴解問題には変更点はほとんどないと捉えられますし…


・OBJETIVO DELE C1

Objetivo-dele-c1_20231020135401  


・¡DALE AL DELE! C1

・¡DALE AL DELE! C2


Img_5783  Img_5784


ちなみにどの出版社も新試験対応版に向けて現行の版を売り切るので、
当店に現在在庫している現行版は、在庫がなくなり次第販売終了になる可能性が高いです。
なので、タイミングによっては新版が出るまで間が空くこともあるかも…?

いずれにせよ、今後の勉強の流れは、
新試験対応の問題集が出るまで勉強できない!ではなく、
今ある問題集で読む、聞く、語彙力などの技能の力をつけておいて、
実際に新しい問題集が出たらそれを使って試験形式に慣れる…
といった試験を念頭に置いた対策をする、でしょうか?

早く新試験のモデル試験など、詳細が知りたいですね~

では。




11/10/23

【DELEにも役立つ】スペイン語の慣用句・成句が学べる本

今日はスペイン語の慣用句・成句が学べる本について。


Frases-hechas


スペイン語の慣用句・成句とは…?ですが、
<Frases hechas><Expresiones coloquiales>のこと。

・Mirar para otro lado
・de una vez por todas
・Montar un numerito

単語を知っているだけでは意味が通らない、
(フレーズとして知っておかないと意味が分からない)
語と語の組み合わせで1つの意味になるフレーズのことです。

ネイティブの話し言葉で使われたり、スポーツ記事などで見かけたり、
DELEにも出たり、いろいろな場面で登場しますよね。

このような慣用句や成句をまとめたページはネット上にいろいろあるので、
このブログでは、本も紹介しつつ以下のことについて書きたいと思います。

【どのようにDELEで出てくるのか】
【慣用句・成句を集めた本の紹介】
【こんな場面でも使われていました】

ではまず👇

【どのようにDELEで出てくるのか】

DELE C1になると、リスニングの会話パートなどで登場することがあります。
そして、このような表現を知っているかそうでないかが、解答のカギになったりも。

たとえば、PRUEBA 2(リスニング)のTAREA 4。
短い会話を聞いて、3つの選択肢のうち正しいものを1つ選ぶという問題なのですが、
ここで成句表現を知っていると解答しやすい、ということが起きたりします。

インスティトゥト・セルバンテスが公開している試験モデルを使って見てみます。
こちらのページにレベルごとに試験モデルが公開されています)

以下、流れてくる会話(リスニングの内容)です。

MUJER: Ayer me dieron el resultado del primer examen de la oposición y he
suspendido, pero justo por la tarde me llamó mi antiguo jefe porque tenían que cubrir
una baja y quería saber si podía contar conmigo.

HOMBRE: Bueno, mira, no hay mal que por bien no venga.

そして問いがこちら。

25. La persona que responde…
a) intenta animar a su amiga.
b) comparte el disgusto de su amiga.
c) recrimina la actitud de su amiga

問いの文が「La persona que responde...」なので、
MUJERの発言に対するHOMBREの返答がどのようなものだったか問われています。

ここでHOMBREの返答を見てみると、
「Bueno, mira, no hay mal que por bien no venga.」
はい、出ました。成句の登場です。
つまり、問いで問われているのがこの成句の箇所なので、
この成句の意味がわからないと解答できないんです…
逆に言えば、成句を知っていればほぼ正解できるという感じです。

「no hay mal que por bien no venga」は、
「どんな不幸やネガティブなことにも、何か良いことはついてくる」といったような意味なので、
答えは、「a) intenta animar a su amiga.」が正解です。

(知らないとわからないなんてちょっといじわる~とか思ってしまったり😂笑)

と、こんな感じでDELEに登場します。


はい次は👇

【慣用句・成句を集めた本の紹介】

1つ1つその都度調べるのも良いですが、
慣用句・成句がまとまった本があっても良いな~
という方におすすめの書籍を3冊ご紹介します。

それぞれどのように紹介されているのか、内容も簡単にまとめたいと思います。

1.HABLAR POR LOS CODOS


Img_5748

タイトルから成句「Hablar por los codos」ですね。
表紙のイラストはその名の通り肘が喋っていますが、
これは「おしゃべり、とか、話しだしたら止まらない」と言う意味の成句です。

書籍の内容はこんな感じ。

・成句ごとにユニークなイラストが登場
・スペイン語で意味を説明
・例文も併記(←使い方がわかって良い👍)
・(成句によっては)似た意味の表現や、由来、使う場面などの一言コメントあり
・少しだけ練習問題もあり

練習問題というよりは、慣用句・成句の意味や使い方を紹介する1冊です。
なので、練習問題はおまけ程度。

実際にどのように紹介されているかというと、

例. Hablar por los codos

意味...Hablar demasiado y sin interrupción.

例文...Su hermano es un chico muy pesado. Habla por los codos y no hay quien lo pare.

似ている表現..
・Hablar como los loros.
・Enrollarse

この場合、似ている表現が出てくるのが嬉しいですよね、一石二鳥感があります。


2.Practica tu espanol (B1): LAS EXPRESIONES COLOQUIALES


Coloquiales_20231011173401


こちらは先ほどの「Hablar por los codos」と違って、
慣用句・成句を学ぶ練習問題集です。
なので、ただ表現を紹介するのではなく、いろいろな練習問題を解きながら
表現の使い方を学んでいく1冊です。
練習問題は、感情について表す表現、仕事について表す表現、
お金について表す表現など、テーマごとに分かれています。

書籍の内容はこんな感じ。
(見本はこちらです)

・練習問題
・全体のまとめ
・解答
・登場する表現一覧と意味

練習問題をたくさん解いて身に着けたいならこの本で、
読みながら意味や使い方を学びたいなら「Hablar por los codos」がおすすめです。


3.DICCIONARIO DE DICHOS Y FRASES HECHAS


Dic-dichos-y-frases


こちらは慣用句や成句表現のみを集めた辞書です。

ちょっとマニアック?専門的?ですね。
普通の辞書のようにアルファベット順に引いていくと、
成句と意味、例文が登場します。

試しに【どのようにDELEで出てくるのか】で紹介した
「No hay mal que por bien no venga.」を引いてみたいと思います。

・No hay mal que por bien no venga
Se asegura con esta frase que toda desgracia o hecho negativo encierra algo positivo.

Después del accidente me tiré tres meses en el hospital, pero alli conocí a la que entonces

era mi enfermera y hoy es mi mujer. Ya ves, no hay mal que por bien no venga.
El dramaturgo Juan Ruiz de Alarcón (1580-1639) escribió una obra teatral que lleva
el mismo título del dicho. Pero, como no todo iba a ser positivo, para calmar el optimismo,
la lengua coloquial nos asegura también lo contrario: lo bueno encierra lo malo
(r. No hay rosas sin espinas). V. La lanza de Aguiles.

「どんな不幸やネガティブなことにも、何か良いことはついてくる」
というような意味の後、イタリック体の箇所が例文です。
なんだか素敵な例文が書いてありますが、
舞台作品の一部から例文を抜粋したみたいです。

はい、ここまでが本の紹介です。
同じ成句を扱う本ですが、どれも特徴があって面白いです。


最後、これはおまけみたいなものですが…

【こんな場面でも使われていました】

サッカーの話ですが、去年のカタールワールドカップの時、
スペイン戦の「三苫の1ミリ」が話題になりましたよね。
その直後にスペインのスポーツ紙MARCAが当時のツイッターでこんな投稿をしていました。

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(出典: https://twitter.com/marca/status/1598416391698259970


この投稿にある「Estamos contra las cuerdas.」
これもまさに成句表現ですよね。

意味は、「抜け出すのが困難な状況にあること」です。
絶体絶命?のような感じ?

ちなみに先ほど紹介した辞書にも載っていました。

・Estar contra las cuerdas

Lo decimos de quien está en una situación muy comprometida
de la que muy difícilmente va a poder salir.


ということで、成句表現って色々あって面白いですよね。
日本語でも似ている表現があったり、なんとなく意味が予想出来たり、
逆に全然予想できない意味だったり。

地道に覚えていきたいと思います~



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