【DELEにも役立つ】スペイン語の慣用句・成句が学べる本
今日はスペイン語の慣用句・成句が学べる本について。
スペイン語の慣用句・成句とは…?ですが、
<Frases hechas>や<Expresiones coloquiales>のこと。
・Mirar para otro lado
・de una vez por todas
・Montar un numerito
単語を知っているだけでは意味が通らない、
(フレーズとして知っておかないと意味が分からない)
語と語の組み合わせで1つの意味になるフレーズのことです。
ネイティブの話し言葉で使われたり、スポーツ記事などで見かけたり、
DELEにも出たり、いろいろな場面で登場しますよね。
このような慣用句や成句をまとめたページはネット上にいろいろあるので、
このブログでは、本も紹介しつつ以下のことについて書きたいと思います。
【どのようにDELEで出てくるのか】
【慣用句・成句を集めた本の紹介】
【こんな場面でも使われていました】
ではまず👇
【どのようにDELEで出てくるのか】
DELE C1になると、リスニングの会話パートなどで登場することがあります。
そして、このような表現を知っているかそうでないかが、解答のカギになったりも。
たとえば、PRUEBA 2(リスニング)のTAREA 4。
短い会話を聞いて、3つの選択肢のうち正しいものを1つ選ぶという問題なのですが、
ここで成句表現を知っていると解答しやすい、ということが起きたりします。
インスティトゥト・セルバンテスが公開している試験モデルを使って見てみます。
(こちらのページにレベルごとに試験モデルが公開されています)
以下、流れてくる会話(リスニングの内容)です。
MUJER: Ayer me dieron el resultado del primer examen de la oposición y he
suspendido, pero justo por la tarde me llamó mi antiguo jefe porque tenían que cubrir
una baja y quería saber si podía contar conmigo.
HOMBRE: Bueno, mira, no hay mal que por bien no venga.
そして問いがこちら。
25. La persona que responde…
a) intenta animar a su amiga.
b) comparte el disgusto de su amiga.
c) recrimina la actitud de su amiga
問いの文が「La persona que responde...」なので、
MUJERの発言に対するHOMBREの返答がどのようなものだったか問われています。
ここでHOMBREの返答を見てみると、
「Bueno, mira, no hay mal que por bien no venga.」
はい、出ました。成句の登場です。
つまり、問いで問われているのがこの成句の箇所なので、
この成句の意味がわからないと解答できないんです…
逆に言えば、成句を知っていればほぼ正解できるという感じです。
「no hay mal que por bien no venga」は、
「どんな不幸やネガティブなことにも、何か良いことはついてくる」といったような意味なので、
答えは、「a) intenta animar a su amiga.」が正解です。
(知らないとわからないなんてちょっといじわる~とか思ってしまったり😂笑)
と、こんな感じでDELEに登場します。
はい次は👇
【慣用句・成句を集めた本の紹介】
1つ1つその都度調べるのも良いですが、
慣用句・成句がまとまった本があっても良いな~
という方におすすめの書籍を3冊ご紹介します。
それぞれどのように紹介されているのか、内容も簡単にまとめたいと思います。
1.HABLAR POR LOS CODOS
タイトルから成句「Hablar por los codos」ですね。
表紙のイラストはその名の通り肘が喋っていますが、
これは「おしゃべり、とか、話しだしたら止まらない」と言う意味の成句です。
書籍の内容はこんな感じ。
・成句ごとにユニークなイラストが登場
・スペイン語で意味を説明
・例文も併記(←使い方がわかって良い👍)
・(成句によっては)似た意味の表現や、由来、使う場面などの一言コメントあり
・少しだけ練習問題もあり
練習問題というよりは、慣用句・成句の意味や使い方を紹介する1冊です。
なので、練習問題はおまけ程度。
実際にどのように紹介されているかというと、
例. Hablar por los codos
意味...Hablar demasiado y sin interrupción.
例文...Su hermano es un chico muy pesado. Habla por los codos y no hay quien lo pare.
似ている表現..
・Hablar como los loros.
・Enrollarse
この場合、似ている表現が出てくるのが嬉しいですよね、一石二鳥感があります。
2.Practica tu espanol (B1): LAS EXPRESIONES COLOQUIALES
こちらは先ほどの「Hablar por los codos」と違って、
慣用句・成句を学ぶ練習問題集です。
なので、ただ表現を紹介するのではなく、いろいろな練習問題を解きながら
表現の使い方を学んでいく1冊です。
練習問題は、感情について表す表現、仕事について表す表現、
お金について表す表現など、テーマごとに分かれています。
書籍の内容はこんな感じ。
(見本はこちらです)
・練習問題
・全体のまとめ
・解答
・登場する表現一覧と意味
練習問題をたくさん解いて身に着けたいならこの本で、
読みながら意味や使い方を学びたいなら「Hablar por los codos」がおすすめです。
3.DICCIONARIO DE DICHOS Y FRASES HECHAS
こちらは慣用句や成句表現のみを集めた辞書です。
ちょっとマニアック?専門的?ですね。
普通の辞書のようにアルファベット順に引いていくと、
成句と意味、例文が登場します。
試しに【どのようにDELEで出てくるのか】で紹介した
「No hay mal que por bien no venga.」を引いてみたいと思います。
・No hay mal que por bien no venga
Se asegura con esta frase que toda desgracia o hecho negativo encierra algo positivo.
Después del accidente me tiré tres meses en el hospital, pero alli conocí a la que entonces
era mi enfermera y hoy es mi mujer. Ya ves, no hay mal que por bien no venga.
El dramaturgo Juan Ruiz de Alarcón (1580-1639) escribió una obra teatral que lleva
el mismo título del dicho. Pero, como no todo iba a ser positivo, para calmar el optimismo,
la lengua coloquial nos asegura también lo contrario: lo bueno encierra lo malo
(r. No hay rosas sin espinas). V. La lanza de Aguiles.
「どんな不幸やネガティブなことにも、何か良いことはついてくる」
というような意味の後、イタリック体の箇所が例文です。
なんだか素敵な例文が書いてありますが、
舞台作品の一部から例文を抜粋したみたいです。
はい、ここまでが本の紹介です。
同じ成句を扱う本ですが、どれも特徴があって面白いです。
最後、これはおまけみたいなものですが…
【こんな場面でも使われていました】
サッカーの話ですが、去年のカタールワールドカップの時、
スペイン戦の「三苫の1ミリ」が話題になりましたよね。
その直後にスペインのスポーツ紙MARCAが当時のツイッターでこんな投稿をしていました。
(出典: https://twitter.com/marca/status/1598416391698259970)
この投稿にある「Estamos contra las cuerdas.」
これもまさに成句表現ですよね。
意味は、「抜け出すのが困難な状況にあること」です。
絶体絶命?のような感じ?
ちなみに先ほど紹介した辞書にも載っていました。
・Estar contra las cuerdas
Lo decimos de quien está en una situación muy comprometida
de la que muy difícilmente va a poder salir.
ということで、成句表現って色々あって面白いですよね。
日本語でも似ている表現があったり、なんとなく意味が予想出来たり、
逆に全然予想できない意味だったり。
地道に覚えていきたいと思います~